最年少での安井賞や、国際展でも受賞するなど、他にあまり類を見ない独自の作風を切り拓き、旺盛な活躍をみせている作家、福田美蘭。本展では、1990年代以降の代表作と、この展覧会のために制作した新作20点をあわせて約70点を展示し、福田美蘭芸術の多彩な表現の世界をご紹介いたします。
東京都美術館は、創設当時から公募団体展等の発表の場として、日本の近・現代の美術の発展に務めて参りました。この、同時代作家と歩んできた歴史と伝統を踏まえて、昨年春のリニューアル後の企画展として、このたび美術館とゆかりのある現役の作家の個展を開催いたします。
第1回目として、福田美蘭(1963~)をとりあげます。東京生まれの福田美蘭は、東京藝術大学に学び、卒業制作展、修了制作展を経て、現代日本美術展での受賞及び日本国際美術展への出品など、まさに当館を主な舞台としてキャリアを積んできた作家です。
天井の高い吹き抜けの空間を活かした作品や、また当館の設計者である前川國男への敬意をこめた作品など、建築と一体化した空間構成でまさに“美蘭ワールド”を楽しんでいただける展覧会となるものと思われます。