現在、東京都現代美術館に収蔵されている東京都美術館旧蔵作品の中から、昭和初期の東京風景を描いた版画集「新東京百景」を紹介します。
昭和初期、創作版画ブームの中、関東大震災による被害から復興し始めた首都東京の風景をノスタルジアと愛情あふれる視線で描いた版画家たち8人による版画集が刊行されました。1929(昭和4)年から刊行されはじめた「新東京百景」です。前川千帆(1888~1960)、藤森静雄(1891~1943)、恩地孝四郎(1891~1955)、逸見享(1895~1944)、平塚運一(1895~1997)、川上澄生(1895~1972)、深沢索一(1896~1947)、諏訪兼紀(1897~1932)が共同して制作にかかり、東京の新しい都市風景が版画に定着されました。
今年度は、東京都美術館開館90周年にあたります。昭和の木版画を代表する創作版画家たちに着目して、東京都のコレクションを紹介すると共に、昭和初期の都市東京の風景を歴史的に振り返る展示です。