館長メッセージ

開館100周年にあたって

この度、東京都美術館は、開館100周年を迎えることとなりました。1926(大正15)年、日本で最初の公立美術館として上野の地に誕生して以来、時代ごとの表現を受けとめながら、多くの人々と美術を通して出会ってきました。

日常の中でふと立ち寄ってくださる来館者の皆様、長年にわたり創作と発表の場として活動を続けてこられた公募団体の皆様、そして当館を支えてくださったすべての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

この100年の歩みは、作家の皆様、公募団体、来館者、地域の方々、そして運営に携わった多くの関係者の情熱と努力の積み重ねによって築かれたものであります。そのひとつひとつが、当館のかけがえのない財産となっています。

また近年では、館の基本使命でもある「すべての人のアートへの入口」として、年齢や経験、専門性の有無を問わず、誰もが美術と出会い、親しみ、考えることのできる場であることを大切にしてきました。展覧会やアート・コミュニケーション事業、交流の機会を通じて、美術が人々の暮らしや社会と結びつく可能性を広げてきました。

この記念すべき年を機に、私たちは次の100年に向け、社会の変化や多様な価値観に向き合いながら、美術館の役割を問い続けてまいります。表現する人、支える人、鑑賞する人が交差する場として、より開かれた、より創造的な美術館を目指し、未来へと歩みを進めてまいります。今後とも変わらぬご支援とご来館を心よりお願い申し上げます。

2026年4月
東京都美術館 館長 高橋明也

高橋明也(東京都美術館 館長)