○みどころ
まず、ブリューゲル1世作、《バベルの塔》の驚異の写実を実見できます。一説には画面上に描かれた人々の数は1,400人と言われています。細密なだけでなく、圧倒的なボリュームと迫真性を備えた世紀の傑作をご覧ください。
次に、「奇想の画家、ボス」の油彩画2点が初来日します。2016年はボス没後500年に当たり、欧米ではボス・ブームが起きています。世界中で約25点しかないとされるボスの真作2点が日本で初めて鑑賞できる、めったにない機会です。
そして、ボスの影響を受けた16世紀の銅版画、とくにブリューゲル下絵の銅版画を多数見られます。その中で、私たちの想像力を刺激するたくさんの怪物(モンスター)が登場します。頭足人間(グリロス)など、奇怪な生き物の数々をぜひ実際に確認してください。
最後に、16世紀ネーデルラントの絵画、彫刻の歴史を一覧できます。15世紀後半から16世紀にかけて、ネーデルラントの美術の中心は南から北に移り、それまでの宗教絵画から風景画、風俗画に変わっていきました。この変遷を優れた作品でたどれるまたとないチャンスです。